Tuesday, February 3, 2009

09/1/7 Forest Salon


1月7日(水)
●Forestry Study Salon 第三回●

Forest Profile in Vietnam(Ngo Tung Ducさん)

遅くなりましたが勉強会の報告です。
今回はDucさんからベトナムの森林について話を伺いました。
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●要旨●

私たちはかけがえのない地球に生きています。
とくに私たちの分野である森林は対して大きな役割を持っていて、それは以下の5つに分けられます。
・Direct Use Value・・・木材、食料
・Indirect Use Value・・・水や空気、目に見えにくいもの
・Option Value・・・動植物、生物多様性
・Bequest Value・・・将来の子供たちへの
・Excistence Value・・・文化、人とのかかわりかた
ベトナムは南北に長い国でなんとなく日本に形が似ています。そのため国内でも気温や自然環境が違います。大きさも日本よりちょっと小さいくらいで人口も少し少ないくらいです。
54の民族(ほとんどがキン族であと53の少数民族)人口のほとんどが農村に住んでいます。
ベトナムは熱帯性の気候で森林はおもに熱帯多雨林にあたります。そういうわけでベトナムの森林を歩くのは危ない。草も木も多くてヒルやら蚊やら野生動物やらいる。傾斜も急です。
少数民族のほとんどは山岳地帯に住んでいて、高床の家に住んでいるのも野生動物の危険から身を守るためだと言われます。
ベトナムの森林面積は1943年から90年ごろまでは減少(43.3→27.8%)しました。
しかしその後今までは増加に転じています(→37.7%)
減少した原因は農地への転換、焼畑民の増加、山火事、そして、ベトナム戦争。
(*今日の話の中に出てきた Agent Orange とはアメリカ軍が大量にばらまいた枯葉剤の一つで、最も影響力が大きかったといわれているもの。ダイオキシンが含まれ、様々な障害を今も人々にも環境にも与え続けています。)
増加した要因は主に政府の増林政策によるものです。最近はアカシアがメイン。
森林の用途は3つに区分されます。
-Production Forest 林業
-Protection Forest 水源涵養など上記2つで半分ずつくらい。ほとんど。
-Special-use Forest 国立公園など
他の国と違うのは村やコミューンが持つ森というのがある点で、そこで共同で管理・利用しています。
国有林でなくなるため、管理のための費用を国が払う必要がなくなりまた共同体が合法的に管理する権限を持つことができるようになります。
これは新しい制度で古くから村有とされていた森でもまだ書類上で登録されていないところも多いそうです。
(統計上では全体の4.6%がCommunities有林)

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昔から住んでいる少数民族の権利や、なかなか相互の理解が進まないことで複雑な状況になっているんだ、というのが印象的でした。
「環境に配慮しなきゃいけないんだろ、そりゃいい。でもどうやって食っていけばいい?」
それぞれの暮らしがあって、生き方があるんだ、ということを改めて考えさせられました。

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